スターアライアンス世界一周航空券のルール

スターアライアンス世界一周航空券はマイル制の世界一周航空券です。
移動距離(≒マイル)によって料金が変動します。
有効期間 | 1年間。最低旅行日数はエコノミーの場合3日間、ビジネスの場合10日間。 |
航空会社 | スターアライアンスに加盟の航空会社 |
ルール | ・フライトおよびオープンジョーは合計16区間以内。途中降機は2〜15回まで可能。 ・同じ都市での途中降機は1回まで。トランジットは3回まで。 ・太平洋、大西洋を1回ずつ飛行機を利用して横断する必要あり。 ・東回りか西回りのどちらかで、逆回り不可。 |
さらに詳しいルールや料金、ワンワールドの世界一周航空券との違いはこちらの記事でご紹介しているので、気になる方はご覧ください。
実際の世界一周のルート
期間

私が実際世界一周をしたのは、2024年8月1日〜2024年11月末までの約4ヶ月間です。
そのうち約2週間が東南アジア、3ヶ月がヨーロッパ、残りの2週間が北米という配分です。
行きたいのが東南アジアとヨーロッパ、北米のみだったので、4ヶ月でもかなりじっくり楽しめました。
アフリカや中南米、南アジアなども行きたい場合は半年ぐらいはあったほうがいいと思います。
ルートの概要

ルートはこんな感じですが、かなり長いので興味がない方は飛ばしてください。
日帰りで訪れた地は省略しています。
訪問地 | 移動手段 |
---|---|
【スタート地点】東京 | ー |
バンコク(タイ) | スターアライアンス世界一周航空券 |
ルアンパバーン(ラオス) | 自分で手配した航空券 |
バンコク(タイ) | 自分で手配した航空券 |
シンガポール | スターアライアンス世界一周航空券 |
ロンドン(イギリス) | スターアライアンス世界一周航空券 |
コペンハーゲン(デンマーク) | スターアライアンス世界一周航空券 |
フェロー諸島(デンマーク自治領) | 自分で手配した航空券 |
レイキャヴィク(アイスランド) | 自分で手配した航空券 |
アムステルダム(オランダ) | 自分で手配した航空券 |
ヒートホールン(オランダ) | ユーレイルパス(電車) |
デュッセルドルフ(ドイツ) | ユーレイルパス(電車) |
フランクフルト(ドイツ) | ユーレイルパス(電車) |
ローテンブルク・オプ・デア・タウバー(ドイツ) | ユーレイルパス(電車) |
ミュンヘン(ドイツ) | ユーレイルパス(電車) |
ザルツブルク(オーストリア) | ユーレイルパス(電車) |
リンツ(オーストリア) | ユーレイルパス(電車) |
チェスキークルムロフ(チェコ) | ユーレイルパス(電車) |
プラハ(チェコ) | ユーレイルパス(電車) |
ブダペスト(ハンガリー) | ユーレイルパス(電車) |
ウィーン(オーストリア) | ユーレイルパス(電車) |
リュブリャナ(スロベニア) | ユーレイルパス(電車) |
ザグレブ(クロアチア) | ユーレイルパス(電車) |
ドゥブロヴニク(クロアチア) | スターアライアンス世界一周航空券 |
コトル(モンテネグロ) | バス |
ドゥブロヴニク(クロアチア) | バス |
ローマ(イタリア) | 自分で手配した航空券 |
アマルフィ(イタリア) | ユーレイルパス(電車)+船 |
ナポリ(イタリア) | 船 |
バレッタ(マルタ) | 自分で手配した航空券 |
ローマ(イタリア) | 自分で手配した航空券 |
フィレンツェ(イタリア) | ユーレイルパス(電車) |
トスカーナ(イタリア) | バス |
ヴェネツィア(イタリア) | バス+ユーレイルパス(電車) |
ドロミティ(イタリア) | ユーレイルパス(電車)+バス |
コリコ(イタリア) | バス+ユーレイルパス(電車) |
ツェルマット(スイス) | バス+ユーレイルパス(電車) |
ヴェンゲン(スイス) | ユーレイルパス(電車) |
ベルン(スイス) | ユーレイルパス(電車) |
リヨン(フランス) | ユーレイルパス(電車) |
ルシヨン(フランス) | ユーレイルパス(電車)+バス+タクシー |
ニース(フランス) | バス+ユーレイルパス(電車) |
モナコ | ユーレイルパス(電車) |
ニース(フランス) | ユーレイルパス(電車) |
パリ(フランス) | ユーレイルパス(電車) |
ボルドー(フランス) | ユーレイルパス(電車) |
サン・セバスチャン(スペイン) | ユーレイルパス(電車)+私鉄 |
マドリード(スペイン) | ユーレイルパス(電車) |
リスボン(ポルトガル) | スターアライアンス世界一周航空券 |
ポルト(ポルトガル) | ユーレイルパス(電車) |
リスボン(ポルトガル) | ユーレイルパス(電車) |
トロント(カナダ) | スターアライアンス世界一周航空券 |
ナイアガラ(カナダ) | バス |
トロント(カナダ) | バス |
アンカレッジ(アメリカ) | スターアライアンス世界一周航空券 |
フェアバンクス(アメリカ) | 自分で手配した航空券 |
アンカレッジ(アメリカ) | 自分で手配した航空券 |
ホノルル(アメリカ) | 自分で手配した航空券 |
【ゴール】東京 | スターアライアンス世界一周航空券 |
スターアライアンス世界一周航空券は最大16回まで飛行機に乗れますが、9回しか乗っていません。
これはオープンジョー(1つ前の乗り継ぎ地とは違う空港から出発すること)も1区間としてカウントされるためで、今回私たちは回りやすさを考えて、オープンジョー多めにしました。
また、上の表の通り、ヨーロッパでは電車が乗り放題になるユーレイルパスをかなり活用しました。
何回乗っても定額(※)なので、ヨーロッパで長期滞在するなら絶対使ったほうがいい、というか使わないと交通費がとんでもないことになります。
※電車によっては座席指定料金が別途かかります

念のためユーレイルパスについて少し解説しておくと、事前に購入して提示すればヨーロッパのほとんどのエリアで電車が乗り放題になるチケットで、定期券みたいなイメージです。
ヨーロッパの鉄道は1等車と2等車が設置されていることが多いのですが、ユーレイルパスを購入する際も1等車・2等車どちらかを選ぶ必要があります。
1等車のチケットを購入すれば1等車も2等車もどちらでも乗れますが、2等車を購入した場合は2等車しか乗れません。
私は治安と席の空き具合、快適さを考えて、1等車のユーレイルパスを購入しました!
ユーレイルパスの詳細が知りたい方はこちらの記事をご覧ください!
ルートの決め方

ルートの決め方に正解はないのですが、実際にルートを決めて旅した結果、次回はこう決めたら楽そうだなと思う方法が下記です。
- 行きたい場所のリストを作る
- 優先度をつける
- なるべく遠回りせず行けそうなルートを考えてみる
- 最適な交通手段を調べて、ルートを決定する
当たり前のように見えますが、特に重要なのが優先度付けです。
私たちは最初行きたい場所に全部行くつもりでルートを作っていたのですが、期間的にも予算的にも体力的にも厳しそう・・・ということで、再度優先度を付けてルートを考え直しました。
行きたい場所がたくさんある方は、まずは優先度「大」「中」だけでルートを作って、余裕がありそうだったら優先度「小」にも寄り道できるようなルートに修正していくとスムーズだと思います。
実際行ってみると自分の好みがわかってきて、旅中にルートを変えることもあると思うので、ガチガチに決めなくても大丈夫です!
そもそもルートは決めるべきか?

まず前提として、スターアライアンス世界一周航空券を利用する場合は、出発前に少なくとも世界一周航空券で乗る飛行機の分はルートを決めておかなければいけません。
それを差し引いても、個人的には世界一周前にルートを決めておいて良かったと思っています。
これは完全に好みによりますが、私は旅をしている時間はその土地に集中したかったので、次行く場所がもう決まっているというのがかなり楽でした。
航空券も電車のチケットも8割ぐらいは世界一周出発前に購入済みだったので、出費も予測しやすく、せっかく世界一周をしているのにスマホと睨めっこして航空券をとったりルートを決めたりという時間を最小限にできました。
行き当たりばったりの旅も楽しいので、何を優先するかですが、
- できるだけ現地での滞在時間を楽しみたいならルートは事前に決める
- 偶然の出会いや自由さを大切にしたいならルートは決めない
というのがいいかなと思います。
海外だと治安も気にしないといけないので、宿泊場所や交通手段を決めるだけでも意外と時間がかかります。
その上次行く場所も未定となると、調べるだけで結構疲れると思います。
世界一周のモデルコース
2週間で世界一周

東京→バンコク🇹🇭→シンガポール🇸🇬→ロンドン🇬🇧→リスボン🇵🇹→ニューヨーク🇺🇸→ホノルル🇺🇸→東京
つめつめですが、2週間もあれば一応世界一周はできます。
また、本来スターアライアンス世界一周航空券は16回までフライトもしくはストップオーバーができるので、7回のみのフライトはもったいない気もします。
このような最短距離で世界一周をしたい場合は、ワンワールドの世界一周航空券の方が安い場合が多いです。
2週間と短期間の場合は、時差ボケも治らないまま旅をすることになる可能性が高いので、飛行機でしっかり休めるビジネスクラスがおすすめです。
大陸制覇コース

東京→オークランド🇳🇿→上海🇨🇳→バンコク🇹🇭→デリー🇮🇳→ドバイ🇦🇪→アテネ🇬🇷→パリ🇫🇷→カイロ🇪🇬→ニューヨーク🇺🇸→パナマシティ🇵🇦→メキシコシティ🇲🇽→東京
こちらはオセアニア、アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカ、北米、中南米をまんべんなく回るコースです。
ここからさらにフライトを足したり、陸路で移動したりすればかなり広い範囲を網羅できます。
このようにたくさんの大陸に立ち寄る場合はワンワールドよりもスターアライアンスの世界一周航空券が安くなることが多いです。
ヨーロッパじっくりコース

東京→シンガポール🇸🇬→ロンドン🇬🇧→コペンハーゲン🇩🇰→パリ🇫🇷→フランクフルト🇩🇪→アテネ🇬🇷→ローマ🇮🇹→ドゥブロヴニク🇭🇷→バルセロナ🇪🇸→リスボン🇵🇹→ニューヨーク🇺🇸→東京
私たちのように、ヨーロッパ周遊をメインに世界一周をすることも可能です。
最初にシンガポールを入れているのは、シンガポール航空でヨーロッパに行くと燃油サーチャージがかからない分、数万円節約できるからです。
また、最後にニューヨークを入れているのはそうしないと西回りの世界一周にならず、世界一周航空券が使えないからです。
ニューヨークである必要はなく、西回りになる北米・中南米の都市ならどこでもOKですよ!
世界一周のルート決めで参考になった本
世界一周ビジネスクラスBOOK

こちらの本は、世界一周航空券をビジネスクラスにするか迷っている方におすすめです。
- ビジネスクラスのメリット・デメリット
- 実際に世界一周した人のコース
- リアルな世界一周の体験談
- トラブルが起きた際の対応方法
上記について詳しく知ることができるので、世界一周を考えている方は一度読んでおくことをおすすめします。
いつかは行きたい一生に一度だけの旅 BEST500

行ってみたい場所や、体験したいことがまだ定まっていないという方はこちらの本が参考になります。
文化の体験やその土地じゃないとできない体験、移動まで楽しむ方法など、自分では思いつかなかったような様々な旅が紹介されていました。
写真付きでわかりやすいので、ページをめくるだけでワクワクしますよ!
深夜特急

バックパッカーのバイブル、深夜特急は香港からロンドンまで路線バスを使って実際に旅をした沢木耕太郎さんによる紀行文です。
旅でのリアルな感情や感動、悩みなどはもちろん、「こことここは陸路で行けるんだな」といった感覚も読めば身に付きます。
ガラケーすら浸透していないほどかなり昔の本なので、今の旅のスタイルとはまた違うところも多いですが、それもまた面白いですよ。
自分が行きたいと思っている土地の楽しみ方や雰囲気を事前に知っておきたいという方にもおすすめです。
純情ヨーロッパ・人情ヨーロッパ

こちらは世界一周ではありませんが、2ヶ月でヨーロッパ21カ国を旅したたかのてるこさんの紀行文です。
私自身、世界一周でヨーロッパをがっつり回りたかったのでルートや描かれている雰囲気はかなり参考になりました。
また、ヨーロッパの今まで知らなかった小さな町や食べ物・体験などが紹介されているので、実際に旅する上で行ってみたい場所・やってみたいことリスト作りに役立ちました。
比較的新しい本なので、今と状況が大きく変わっていないというのも参考にしやすいポイントです。
世界一周は夢じゃない!
世界一周というとかなりハードルが高いイメージですが、実際にやってみて、時間とお金と健康な身体さえ準備すれば誰でも行けるということがわかりました。
それが1番難しいよ・・・というご意見ももっともですが、健康でまだ子供がいない社会人の方であれば、本気で行こうと思ったら行ける人の方が圧倒的に多いと思います。
世界一周から帰ってきたあと、就職が難しくなるんじゃない?と言われたこともありましたが、全くそんなことはありませんでした。
近年のパンデミックや戦争などに代表されるように、いつまた行けなくなってしまうかわからない世の中です。
本気で世界一周がしたいと思っている方は、行けるうちに行っておくことを強くおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました!
